
ロシア語学習への誘い Приглашение учения русскому языку
貴方にとってロシア語とは一体どの様な言葉ですか?
この問いに対する答えは勿論人様々でしょうけれども、一つだけ確かな事は我々にとって最も近い隣国の言葉と云う事ですね。何しろ北海道の(と云う事は取りも直さず日本の)最北の地宗谷岬に立てば、晴天の日には宗谷海峡を隔てて約40kmの彼方にロシアの地(旧樺太)を遙かに遠望する事が出来るわけですから。我国の領土から肉眼で見る事の出来る外国なんて、これ以外には沖縄県の西端竹富島から霞んで見える台湾ぐらいなものでしょうか。ロシア語が中国語や朝鮮・韓国語と並んで我国の中波のラジオ受信機に日常的に飛び込んで来る稀少な外国語の一つであると云う事は、成程伊達では無いわけですね(いや、もう一つ英語(米軍放送)がありましたね。昔FEN、今AFNとか称している、哀しいかな我国の半植民地的現状を如実に反映している一例ですね)。
現在世界中に一体全体幾つの言語が存在するのか詳細には存じませぬが、言語人口が最大なのは中国語でしょうか(12億人以上?)。又、誰も頼みもしないのに、やれ世界語だ、やれ国際語だとか云って大きな顔をしているのが英語だとして、通用する空間的拡がりの最も大きい言葉はもしかするとロシア語ではないでしょうか。何しろ旧ソ連は地球の全陸地の六分の一の面積を有していたわけですから。更にロシア語を知る事は、それを通して広範なスラヴ世界への入場券を手にする事をも意味します。
例えばバルカン半島に嘗てユーゴスラヴィアと云う連邦国家がありました。この国名がキリル文字で表記すればЮгославия、つまり「南スラヴ」を意味するであろう事に筆者が思い至ったのは、勿論ロシア語なる物を学び始めた後の事です。又、同連邦のボスニア・ヘルツェゴヴィナのネレトヴァ川河畔にモスタールと云う町があります。16世紀に築造された同川に架かる石造りの美しいアーチ橋で有名な町です。残念ながらユネスコ歴史遺産にも指定された本橋は先のユーゴ内戦で無残にも破壊されてしまいました(その後再建されたと聞いてはいますが)。この町名「モスタール」が此の古橋に因み、мост старыйと同根であるだろうと推量する事はロシア語を知る人にとっては易い事でしょう。斯くして、当時殆ど何の知識も持っていなかったバルカン半島(の少なくとも一部)がスラヴ世界に属する事を発見し、ロシア語を知っている事の意味を空間的拡がりの中で実感した時、妙に嬉しく感動した事を筆者は想い出します。
そのロシア語ですが、スラヴ語族に属する東方スラヴ語の一つで、親戚言語には同じスラヴ語族に属するベラルーシ語、ウクライナ語、ブルガリア語、ポーランド語、チェコ語、スロバキア語、クロアチア語等々があるわけです。当然の事ながらロシアから遠ざかるにつれてロシア語との親戚度も下がって参ります。例えばベラルーシ語、ウクライナ語、ブルガリア語は文字もキリル文字を基本とした物を用いていますが、ポーランド語となりますとローマ字を基本とした物となって参ります。しかし流石に其処は同じスラヴ語、筆者はかってポーランドの映画を観ていて、俳優さん達がロシア語を喋っているんじゃないかと云う感覚に時々捉えられた事を良く記憶しています。又、筆者は嘗て頼まれてブルガリア語の発酵技術に関する文献を翻訳した事がありますが、依頼人はてっきりロシア語の文献だと思っていました。これは無理からぬ事で文字が殆ど同一な上、語彙も大部分が共通するのですから。まあ、お陰様で筆者は先ず図書館でブルガリア語に関する参考書で同語の基本的な特徴(主にロシア語との差異)を把握・確認した後、比較的易々と依頼された仕事を遂行し得た訳です。(辞書はロシア語のそれが在れば実用上十分でした。例えて言えば日本人が漢文を見れば少なくとも大意は読み取れる、或いはスペイン人がポルトガル語の文を読む様なものでしょうか。)
文字の話が出た序でにキリル文字について少し触れて見ましょう。ロシア語はその昔、我らが日本語同様文字無し言語でした。9世紀にギリシャの修道士キリルとメフォージー兄弟がルーシ(ロシアの古名)の地にキリスト教(東方教会=ギリシャ正教)伝道を命じられ、彼の地へ赴いた際に持ち込んだ文字体系に発祥するのが現在のキリル文字とされています。従ってキリル文字の基本はギリシャ文字なのですね。ロシア語は文字が取り散らかっていて混乱すると云う話を繁く聞き及びますが、ローマ(ラテン)文字だと思うから混乱するのです。要するにギリシャ文字と見なせば良いのです。例えば、Г→Γ、γ:放射線の一種のガンマ線、Д→Δ、δ:差分記号デルタ、Л→Λ、λ:波長ラムダ、П→Π、π:お馴染み円周率パイ、Р→Ρ、ρ:密度ロー、Ф→Φ、φ:角ファイ、Х→Χ、χ:カイ二乗分布、等々先刻お馴染みな文字ばかりではないですか。
ところで此処で皆様に外国語学習に関する独断と偏見に満ちた提言を致します。外国語習得の早道として、兎に角相当難しいとされている言語を一つ或る程度物にしてしまう事をお奨めします。それは例えばラテン語でも古典ギリシャ語でも何でも良いのですが、残念ながら双方共今や死語ですし、前者については古代ローマ史の文献、後者については古代ギリシャの先哲ソクラテスやアリストテレスの作品並びに新約聖書等を原文で読む気を起こした人以外には先ず“縁無き衆生”の言葉でしょう。その点ロシア語は上述した興味深い数々の特徴や魅力を具備した歴とした現代語で国連公用語の一つでもありますし、ユーラシア世界を闊歩しようとする人にとって必須の言葉です。しかも文法を始めとする言語構造はラテン語並の複雑さを兼ね備えています。ですからロシア語を物にした人にとって他の外国語(例えば擦りっ切れた英語なんぞ)に触れる事は全く苦にならないのです。
もう大分以前の事ですが、筆者はロシアからの留学生と話をしていて、彼らにとっての外国語である英語よりも自国語であるロシア語の方が難しいと彼らが宣うのを聴いた事があります。その時は大それた事を言う物だと驚き、訝り、感心した訳ですが、今にして思えば納得させられます。つまり、敢えて相当乱暴に単純化して言うと、彼らにしてみればロシア語で発想した事を名詞・形容詞の性や格、動詞の人称や数に依る変化等を一切合財全部吹っ飛ばして英語に置き換えれば事足りると云う感覚なのでしょうね。
外国語に通じると云う事は言葉を通してもう一つの世界への窓が開かれる事、即ち、世界が拡がると云う事を意味すると思います。さあ、読者の皆さんもロシア語を通して芸術・文学・音楽・映画・スポーツ等々豊かなロシア文化の世界への扉を開き、マリヤ・シャラポヴァやイリーナ・スルツカヤと交流するもよし、或いは又彼の地の純朴な人々との草の根の交流・相互理解を通して当協会の活動目的の一つでもある国際平和の確立へ向けて細やかな一石を投じるもよし、ではありませんか。
当協会のロシア語教室は何処にも引けを取らない多彩で優秀な教授陣、質の高い教授内容、良心的な価格設定を以て皆さんのロシア語学習をしっかりと支援出来ると思います。
いざ、来たれ!神奈川県日本ユーラシア協会ロシア語教室へ!!
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